2018/05/17

前回の幼稚園児に行ったテストは、マシュマロテストとよばれ、随分まえに読んだ本の中で使われていたデーターでした。 
1960年代に、スタンフォード大学の心理学者w.ミッシェルが大学構内の付属幼稚園で始めたもので、主に大学の教職員や院生の子どもたちを対象に、高校を卒業するまでを追跡調査したものだったのを思い出しました。 
このデーターは、様々な心理学者の目を引き1995年出版のダニエル・ゴールマン著 EMOTIONAL INTELLIGENCE、Why it can matter more than IQ?の中でも取上げられていて、題名であるEMOTIONAL INTELLIGENNCE-心の知性をIQに対してEQという言葉で表現して、IQよりも大切なのはEQだと主張しています。 

私がマシュマロテストを思い出したのは、CNNのニュースで米の女子大生達がどのように就活に取り組んでいるかをレポートしたニュースの中で、ビジネスマナー講座のインストラクターの言葉によってです。 
彼女は、 
“人生でも就職でも、成功の85%は人との接し方です。 
専門的な技術や知識は15%にしかすぎません。” 
という言葉に始まり、握手の仕方、マナー、エチッケト、コミュニケーションのとり方、人脈を作る方法などを伝えるのですが、とてもこれらが実力第一主義、男女雇用均等機会の世界のリーダーであるアメリカの就活とは思えなかった。 
その具体的内容はマナーの良い食事の仕方(アメリカではビジネスランチが多いので)、礼状は、メールでなく手紙で書くこと、適切な服装、態度、言葉とは、自分の考える”適切”でなく先方の”適切”などでした。 
そして将来の雇用主に”できる人間”だと思ってもらえるために、つまり、この人間は信頼できる、より良い人間関係を仕事の中で築けると思ってもらえることが成功につながるもので、いわゆる、ソーシャルネットワーク作りができる人を企業は探しているということです。 
これが、IQよりもEQを求めている社会の姿です。

それでは、その心の知性、EQはいつ、どのように身についていくものなのでしょう。 
そこにあるヒントが前回のマシュマロテストの結果ではないでしょうか。 
そこに必要なのは”感情の自制”です。 
それには親が子どもの行動、言動にたいして感情の自制ができることでしょう。 
どうやら、EQを磨くことによりIQが一層高いものになりそうですね。 
東京工大が世界文化センターを設立して理系の学生たちに芸術の視点を経験させようとしている試みはそのひとつかもしれません。 
次回は、そのことも含めてもう少し引き続きお話しましょう。